Column

【「nagare」のはじまり|私たちについて】

By 2026/01/021月 23rd, 2026No Comments

初めまして。

 

長野県・伊那谷という、山に抱かれた静かな谷の町で、  

私たちは夫婦で移住し、3つの宿を営んでいます。

築100年の古民家を改装した「nagare」。

 

アルプスの絶景を見渡せる villa「nagare」。

 

木の香りがやさしいログハウス Log「nagare」。

 

もともとは東京と横浜で銀行員として働いていました。  

慌ただしく過ぎていく日々のなかで、  

「一度立ち止まって、自分たちのこれからを考えてみたい」  

そんな静かな気持ちが芽生え、  

思い切って夫婦で 500 日の世界一周の新婚旅行に出ました。

たくさんの景色に出会い、  

いくつもの宿に泊まり、  

いろいろな暮らし方に触れるうちに、  

“旅と暮らしのあいだ” にある、あのやわらかな時間が  

少しずつ、心の中に静かに残っていきました。

 

その感覚をもう一度、自分たちの手でつくろうと、  

帰国してから少し経った 2018 年に伊那谷へ移住しました。  

そして 2020 年の夏、最初の宿「古民家 nagare」を開業。  

今は 5 歳の息子と犬とともに、この伊那谷で暮らしています。

 

宿をつくりたいと思い始めたのは、  

旅が終わる頃のことでした。

 

「自分たちにとって心地いい時間って何だろう」  

そんな問いが、旅の終わりにかけて  

ゆっくり輪郭をもち始めたのです。

 

会社を辞めて、一度仕事と暮らしをリセットしたとき、  

これからどんなふうに生きていきたいか、  

ふたりでよく話しました。

 

その会話の中で、一番自然に心に浮かんだのが、  

“宿をつくろう” という思いでした。

 

旅の最中、忘れられない宿がいくつかあります。

 

例えばそれは——

 

グアテマラの、小さな町の静かな宿。  

もう今は存在しませんが、  

観光地でもなく、決して便利な立地でもないのに、  

なぜか心がふっとほどけるような時間が流れていました。

 

私たちはその心地よさに惹かれ、  

500日の旅の中で最も長く、3週間ほど滞在していました。

 

朝になるとオーナー家族が気さくに声をかけてくれて、  

市場で買った食材をキッチンで料理し、  

気づけば “行きつけ” と呼びたくなるカフェやパン屋さんができていく——  

そんな日々が、静かに積み重なっていきました。

 

その宿の名前が「nagare」。  

私たちの宿の名前は、この場所からいただいています。

そしてもうひとつ、アイスランドで泊まった一軒家。  

旅先のご家族が留守の間だけ貸してくれた家で、  

棚に並ぶ器も、写真も、家具も、  

その土地の暮らしをそっと教えてくれるようでした。  

よその家のはずなのに、  

不思議と自分の家の延長のように感じた、あの心地よさ。

どちらも、特別に飾られた場所ではありません。  

けれど、小さな“好き”が静かに積み重なった、  

忘れたくない体験でした。  

その余韻が、いまの「nagare」にそっと息づいています。

 

ここ伊那谷の光や風、季節の流れといっしょに、  

訪れる方が自然と肩の力を抜けるような、  

そんなやわらかい場所でありたいと思っています。

 

「こんな暮らしもいいな」と  

少しでも感じていただけたら嬉しいです。  

帰ってからふと思い出すような、  

また訪れたくなるような、  

そんな宿になれたら——と思っています。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。  

皆さまとお会いできる日を、心より楽しみにしております。